ベータ版

FloSyncは現在ベータ版です。皆さまのフィードバックを反映しながら機能を改善しています。

動画の準備

FloSyncはほとんどの動画フォーマットにそのまま対応しています。ただし、ネットワーク同期を使う場合や、同期精度が求められる環境で運用する場合は、動画フォーマットの選び方が結果を大きく左右します。

このガイドでは、同期性能に影響する要因と、最良の結果を引き出すための動画準備の方法を解説します。

動画の準備は必要?

ほとんどのユーザーは準備不要です。 FloSyncは一般的な動画ファイルを問題なく再生でき、同期のずれを意識する場面はないかもしれません。

以下に該当する場合は、動画の事前準備を検討してください。

  • 複数台のPC間でネットワーク同期を使っている
  • 映像の正確な位置合わせが求められる業務用途の設備を運用している
  • 同期再生中にカクつきやフレーム飛びが起きることがある
  • 同じ動画を複数画面で再生し、徐々にずれが生じている

画面ごとに別々のコンテンツを再生するだけ(独立モード)であれば、動画の準備は必要ありません。

基本的な仕組み

フォーマットによって、複数台での同期再生との相性に差があります。同期に適したフォーマットを選ぶことで、とりわけ長時間の再生セッションで安定性が向上します。

同期しやすい動画とそうでない動画の違い

動画の圧縮方式は大きく2種類に分かれます。

All-Intra(同期向き)

  • 複数マシン間で安定した再生ができるよう設計された方式
  • 長時間再生でも映像の同期が崩れにくい
  • ファイルサイズは大きくなるが、再生の安定性は高い

インターフレーム(配信向き)

  • ファイルサイズの圧縮を優先した方式
  • 通常の再生やWeb配信には最適
  • 同期精度が求められるマルチPC構成では、安定性が低下する場合がある

スマートフォンやカメラ、動画配信サービスで使われる動画の大半は配信向きフォーマットです。普段の視聴には十分ですが、大規模な同期環境では同期向きフォーマットのほうが安定した結果を得やすくなります。

推奨フォーマット

すべてのプラットフォームでH.264 All-Intraを推奨します。ファイルサイズを抑えながら高い同期信頼性を確保でき、macOS・Windowsいずれでもそのまま再生できます。

プラットフォーム 推奨 代替
macOS H.264 All-Intra ProRes LT、DNxHD
Windows H.264 All-Intra ProRes LT、DNxHD

ProRes LTDNxHDは、より大きなファイルサイズを許容できる場合の代替フォーマットです。どちらも同期精度が重要な現場や長時間連続再生で実績があります。

その他のフォーマット

以下のサンプルファイルとトランスコードコマンドには、参考としてProRes 422、DNxHR HQ、MJPEGも含まれています。ただし、これらは推奨フォーマットと比べて同期性能や画質に大きな差がなく、ファイルサイズだけが膨らむため、一般的な用途にはおすすめしません。

テスト用サンプルファイル

プロジェクトで使うフォーマットを決める前に、実際のハードウェアで同期性能を確認できるよう、各種フォーマットでエンコードしたサンプル動画を用意しています。

テスト用サンプルファイル

サンプル動画のダウンロード

すべてのサンプルは、同一の37秒・30fps動画(スポーツカーの映像)を異なるフォーマットでエンコードしたものです。

推奨フォーマット

フォーマット 4K 1080p 動画品質 音声
H.264 All-Intra 222 MB 91 MB 50 Mbps / 20 Mbps AAC 256k
ProRes LT 1.5 GB 414 MB Profile 1 (LT) PCM 16-bit
DNxHR HQ 3.9 GB 988 MB DNxHR HQ PCM 16-bit

その他のフォーマット(参考)

比較用に標準的な配信フォーマットを掲載しているほか、特定の要件がある方向けにプロフェッショナルフォーマットも収録しています。

フォーマット 4K 1080p 動画品質 音声
ProRes 422 1.9 GB 584 MB Profile 2 (422) PCM 16-bit
MJPEG 632 MB 251 MB Quality 2 PCM 16-bit
H.264 HQ 227 MB 88 MB CRF 18 AAC 256k
H.264 Web 65 MB 22 MB CRF 23 AAC 128k
HEVC HQ 102 MB 45 MB CRF 20 AAC 256k
HEVC Web 45 MB 14 MB CRF 26 AAC 128k

テスト手順

  1. 推奨サンプルをダウンロード(H.264 All-Intra)
  2. 比較用にProRes LTまたはDNxHR HQのサンプルもダウンロード
  3. 2台のPC間でネットワーク同期をセットアップ
  4. フォーマットごとの同期安定性を比較
  5. 画質とストレージ要件のバランスから、採用するフォーマットを決定

動画のトランスコード

もっとも手軽な方法は、FloSync内蔵のトランスコードパネルです。 表示メニューまたはツールバーから開くだけで、FloSyncから離れることなくファイルを変換できます。H.264 All-Intra、ProRes LT、DNxHR HQに対応しており、ハードウェアアクセラレーションによる高速処理と音声の自動処理にも対応しています。詳しくはトランスコードガイドをご覧ください。

手動でトランスコードしたい場合や、エンコード設定を細かく制御したい場合は、FFmpegが便利です。Mac、Windows、Linuxで動作する無料の高機能ツールです。

H.264 All-Intra

ファイルサイズと同期性能のバランスに優れ、あらゆる環境で再生可能です。すべてのプラットフォームにおける推奨フォーマットです。

ffmpeg -i input.mp4 \
  -c:v libx264 -preset slow -profile:v high -level 5.2 \
  -g 1 -keyint_min 1 -sc_threshold 0 \
  -b:v 50000k -maxrate 50000k -bufsize 100000k \
  -pix_fmt yuv420p \
  -c:a aac -b:a 256k \
  -y output.mp4

1080pコンテンツの場合はビットレートを下げて構いません。

ffmpeg -i input.mp4 \
  -vf "scale=1920:1080" \
  -c:v libx264 -preset slow -profile:v high \
  -g 1 -keyint_min 1 -sc_threshold 0 \
  -b:v 20000k -maxrate 20000k -bufsize 40000k \
  -pix_fmt yuv420p \
  -c:a aac -b:a 256k \
  -y output-1080p.mp4

ファイルサイズの目安

同期に最適化されたフォーマットはファイルサイズが大きくなります。1分間の動画あたりのおおよその目安です。

フォーマット 4K 1080p
DNxHR HQ 約6 GB 約1.6 GB
ProRes 422 約3 GB 約950 MB
ProRes LT 約2.4 GB 約650 MB
H.264 All-Intra 約350 MB 約150 MB
H.264 Web(配信向け) 約100 MB 約30 MB

ファイルサイズの増加は、安定した同期を実現するためのトレードオフです。必要なストレージ容量をあらかじめ見積もっておきましょう。

ストレージと再生のヒント

ローカルストレージを使う

最良のパフォーマンスを得るためのポイントです。

  • 動画はローカルSSDに保存し、ネットワークドライブは避ける
  • ProResやDNxHRなど高ビットレートのフォーマットにはUSB 2.0ドライブを使わない
  • USB 3.0、Thunderbolt、内蔵ドライブであれば問題なし

PC間でフォーマットを統一する

ネットワーク同期を使う場合のポイントです。

  • すべてのPCでまったく同じ動画ファイルを使用する
  • フォーマットを混在させない(例: 1台がProRes、もう1台がH.264など)
  • ネットワーク共有から直接再生せず、ファイルを各PCにコピーする

ハードウェアの性能を確認する

  • 4KのProRes/DNxHRは、対応するハードウェアと高速なストレージが必要
  • 再生がカクつく場合は1080pH.264 All-Intraに切り替えてみる
  • 本番のイベントや設置の前に必ずテストを行う

クイックリファレンス

macOS・Windowsどちらをお使いですか?H.264 All-Intra — すべてのプラットフォームで推奨。同期の信頼性を保ちつつファイルサイズを抑えられる

ファイルサイズより画質・ビットレートを優先したい?ProRes LT(macOS)または DNxHD(Windows)も選択肢として有効

トランスコード前にまず試したい?サンプルファイルをダウンロードして比較

関連項目